昔、工場で働いていたころの話
栃木県在住。Yさんの体験談。
普通に作業しているので私の視線は下なのですが、視界に入るか入らないかのギリギリで感じる気配がたまにありました。
気配を感じるのでそちらに目をむけると何もなくただの壁。気のせいかと思い作業にとりかかるのですが、どうしても人の気配がする。
でも誰もいない。気にせずに作業をしていると「それ」はいつの間にかいなくなる。
こんなことがたまにありました。その気配にだんだんと慣れてくると気配がしても見なくなるんです。
すると頭の中にイメージっぽい感じが出てきて
そこに立ってる人が戦争中の恰好をした人っぽいと思ってなんとなく見てはいけないと思うのです。
そんなことを繰り返していた時、私の作業する場所が変わることになるのです。
次の作業する場所は嫌な感じはしないのですが、少し薄暗い。
ちゃんと明かりあるので作業しにくいとかはなく、心持ち暗いかなったくらいなので何も気にしてなかったのです。
ある日、いつものように作業していたら先輩がいつもの場所より近い気がしました。
視線を上げると先輩はいつもの場所にいます。
「気のせいか」と作業を進めていると、やっぱり先輩が近くにいるが視線をあげたらいない。
しばらくその繰り返しだったのですが、気が付きます。
コレ先輩じゃないということに。
ソレはおかっぱ頭の細い女の人、先輩が細かったのでずっと先輩と思ってたのですが、先輩はおかっぱ頭ではない。
間違えに気が付き私の中で「コレは見てはいけないやつだ」と思いました。
とりあえず、いつものように気にしないで仕事してたらいなくなるだろうと思い気にせず仕事していました。
すると先輩が何かを取りに作業場を離れてどこかに行ってしまいました。
私は当然そのまま作業をしていたのですが、ふっと振り返ったその瞬間
ソレが突然襲い掛かってくる感じがして思わず私は「えっ何」と声を出してしまいました。
結果、私には被害がなく何もなかったのですが、襲い掛かられた一瞬の恐怖は今でも忘れられません。
今思い出したら、襲い掛かられた時ソレは何か怒ってたような気がします。
何に怒っていたのかはわかりませんが。
私は怖かったので視える人に相談に行き事の説明をすると「これをつけときなさい」と手首につける数珠を渡されました。
その数珠のおかげなのかわかりませんが、それからは何もなく仕事しています。
アレはいったい何だったのか、何かを私に伝えたかったのか、何に怒っていたのか、いまだに全く分かりません。