「花粉症ってつらいよな」幽霊に同情した笑える心霊体験談

笑える心霊体験談

転勤で引っ越さなければならなくなり、新居に入って一通り準備を終えたその日の夜から、私は花粉症の幽霊と同棲生活をすることになりました。姿は見えないのですが、くしゃみや鼻をすする音などが毎日のように聞こえたというお話です。

これはまだ私が20代前半だったころのお話です。当時付き合っていた彼女と別れ、気分を変えるという目的で転勤、引越しをしたのです。

毎回、引越しをすると幽霊をつれてきてしまう体質?だったようで、今回も案の定幽霊を住まわせてしまうこととなりました。目に見えたり干渉されたりといったことは毎回ないのですが、今回の幽霊さんはなかなかおもしろい方でした。

なんとその幽霊、花粉症だったのです。ちょうど春ごろだったと思います。花粉が飛び交う時期で、自分も花粉症なので毎日しんどい思いをしていました。

正直連れてきたのかもともとそこにいたのかはわかりませんが、その幽霊も花粉症だったらしく、くしゃみや鼻すすりなど、かなりの頻度でされていました。たまに自分のそれと重なることもあり、本来怖いはずの幽霊が少しおもしろく思えてしまいました。

春になったばかりのときに引越しをしたので、ひとつの季節を丸々同棲するかのように一緒に過ごしました。辛い春も終わりを告げ、やがて夏になりました。花粉の量も減って自分もだいぶ解放されました。

気がつくとその花粉症の幽霊はどこかへ消えたのか、はたまた花粉がなくなってくしゃみをしなくなったのか、どちらかはわかりませんが、それ以来その幽霊と遭遇することはなくなりました。同じ環境で辛い思いをした幽霊と過ごし、幽霊も花粉には弱いんだな、と思ったエピソードでした。