彼氏とケンカ中に幽霊もケンカ中だった笑える心霊体験談

笑える心霊体験談

10年以上前の話です。
当時20歳だった私は同い年の彼氏がいました。彼は小さい頃きっかけは忘れたようですが、ある日を境に霊が見えるようになったそうで、車の運転中も「うわ!危ない!…あ、霊かぁ。」ということがよくありました。

霊感がある人に会ったことがなかった私は新鮮な気分もあり、怖くもありなんとも言えない気持ちでした。

とある日曜日の朝、彼氏の部屋でまったりしていました。小雨が降っていました。彼氏の家は山間部にあり、車で1時間ほど走らないとショッピングモールがありません。

私はショッピングがしたかったので、「お昼過ぎから買い物行きたいなー。」と彼氏に持ちかけてみました。

すると「うーん、疲れてるから、今日はまったりしていたいなぁ」と言います。
「私が運転するから、行こうよ!」と誘っても彼氏は首を縦に振りません。

いつもなら、内心しぶしぶではあるものの付き合ってくれるのに、この日はのらりくらりと理由をつけて断るのです。
意地になった私は後に引けず、「じゃあ、私一人で行くよ!」と半ば怒り気味に部屋を出ようとしました。

彼氏はそんな態度の私にイラついているのか、「また次の休みに行こう。今日は本当行きたくない!」と声を荒げます。

【別にけんかしたいんじゃないのに…】

と心の中では思ってるのに、止まりません。
言い争いがヒートアップしてきて、過去のこともほじくり返して。
そんな言い争いの最中に、突然彼氏が黙って立ちすくみ、窓をじっと見つめました。

「何?何みてるの?」と私も窓を見ます。ですが普段の景色と変わらず、何も目立つものはありません。

すると彼氏が「霊がケンカしてる…」とポツリ呟きました。
えー!霊感があるから本当なのか、私たちのケンカをやめようとしたウソなのか。
「女の霊と男の霊がケンカしてる。女の方、すごく怒ってて、男の方は何回も謝ってるけど許してくれないみたい…」と解説しだしました。

「ケンカの原因はなんなの?」と私が訊ねると、「分からない…あ、俺たちが見てるのが気になってイラつくらしいよ。見ないでおこう。」と言い窓から視線を外しました。
しばらくして彼が「あ、ケンカ別れしたみたい。女の霊がいなくて、男の霊だけだ…ちょっとしょんぼりしてるよ」と教えてくれました。

そして彼はいつも持ち歩いている、お清めのお塩を窓に撒きました。
霊の出現により、私たちのケンカもどこかにいってしまい、小雨降る日曜の昼下がりは、彼氏の部屋でまったりと過ごしました。