学生時代の職業体験のときに起きたマネキンのゾッとする話

不思議な体験談

1週間の職業体験で、その日は社員の方と大雨で増水したところの写真や被害状況を見て周る仕事の時でした。二人で色々なところを車で周っていました。お昼を過ぎ、最後の場所を視察する時でした。

高校2年生の時の職業体験の時の出来事になります。

その場所は、山のほうへ入って行き小さな畑がある、民家も数軒しかないところでした。車を降りると異様な光景が広がっていました。そんなに広くもない所に、無数のマネキンの首が棒に刺してありました。何十体も置いてあり、周りのマネキンからの視線がすごいのです。

人から見られているような異様な感覚でした。畑もありましたので、鳥や、そのた小動物除けだと思うのですが、今思い出しても気持ちの悪い光景でした。その畑の横には川幅4~5mの川が流れており、山から綺麗な水が流れているような穏やかな川でした。現場の視察だったので、その川に入り奥に進むような流れでした。

その川に入っていくところからが不思議な体験になります。自分の先に、職場体験先の社員さんが川に入り奥に進んで行かれていました。自分も後を追うように川に入り、石に足をとられてこけないように下を見ながら歩いていました。

しかし、ずっと歩いているのに社員の方の姿が全然見えませんでした。自分がかなり遅れているのかな?そう思いながらもどんどんと上流のほうへ。周りは木々に囲まれ小さな田んぼがあり人は誰もいませんでした。頭の中には、車を降りた時に見たマネキンの顔が出てきて耳鳴りがしてきました。

社員の方の名前を呼んでも返事はなく

耳鳴りもしてきて気分が悪くなってきたのでもと来た道を戻ることに。こけて頭を打ちそうになった時にこのまま誰にも見つからずに死ぬのかも。変なことが頭をよぎり、ボーっと頭がなりながら一心不乱にもと来た道をもどりました。こんなに歩いたのかというくらい川を下りました。

そんな時でした。自分を呼ぶ声が聞こえました。「どこに行ってたの?」と社員の方が。ずっと呼んでたのに返事も無かったと言われました。自分は後を追っていっただけなのになぜすれ違いもしなかったのか。このまま奥に、進んで行って気でも失っていたらどうなったのか?

考えると背筋がぞっとなります。社員の方とも合流し、その場を後にすることに。来た時よりも、マネキンの視線がきつく感じ、その場から早く帰りたい。足早に車に乗り現場を後にしました。車の中で社員の方と不思議な感覚で川を一心不乱に上っていったことや、お互いに名前を呼び合っていたのに聞こえなかったことがとても不思議だったねと、話しながら帰りました。

その日以来、その周辺を通ることも、どこだったのかもはっきりとは思い出すことも出来ませんが、マネキンの異様な光景や、その時の不思議な出来事が大人になった今でも考えると、鳥肌がたち寒気がしてきます。