疲れきった大学時代に現れた悲しそうなおじさんを見た不思議な体験談

不思議な体験談

疲れていたときに見えるようになった小さいおじさん。はじめは怖かったもののなんの害もなくいつもそっと影からみまもってくれるおじさんになぞの親近感と安心感を覚えはげまされていました。忙しい時期も終わりに近づくと自然とおじさんは見えなくなってしまった話。

大学時代課題に追われ本当に疲れていました

今思うと幻覚かなにかだったのかなとも思えますが、意識はしっかりとあったはずなので違うとは思いますが・・・。

どんどんと出される課題と、自分の能力の低さに悩み毎日1時間も眠れない日々が続いていて疲労と心労で暗い気持ちになっていました。
家では突然涙が流れてきたりぼーっとしてしまったり精神的に限界でした。

そんな時、ゴミ箱の陰に何か気配を感じぱっと見てみても何もいません。疲れてるんだ・・・と思いまた課題に意識を集中させると今度はがたっと物音が聞こえ、またゴミ箱の方に目をやると小さい影のようなものが見えました。

私は目が悪いのでよーく目を凝らしてみているとゴミ箱から顔だけを覗かせるように悲しそうなおじさんの姿がそこにありました。

20センチほどの背丈のわりに顔は大きくマンガのSDキャラクターのような等身でした。顔は本当に普通の50代サラリーマンのようでどこかで見たといわれれば納得のいくような本当に普通のおじさんです。

不思議と恐怖心はなく、なんでこっちを見ているんだろうと不思議な気持ちでいっぱいでした。

おじさんは何をしてくるわけでもなく、ただ私をじっと悲しそうな、心配そうな顔で見てくるだけ。気まずい空気に感じてしまって一度課題にもどり、ばらくしてもう一度ゴミ箱に視線をやると、やっぱりおじさんはそこにいて。

いや、普通は消えるところじゃないか!?とも思いましたがそのときの私は時間に追われていたため無視して課題を進めていました。

うとうとしていつのまにか寝て起きたときにはいなくなっていたのですが

そのときは幻覚かなにかを見たのかなと思って気にしないことにしていたんですが、それが毎日毎日続きました。

毎日毎日同じ場所に現れては私が眠ってしまうまで、私を悲しそうな顔でずっと見守ってくれていました。

ですがおじさんが現れてから課題がうまくいきはじめ、先生にもいい評価をもらえるようになり苦しい生活ながらももっと頑張ろうと少しだけ前向きな気持ちになりはじめていました。
すると、おじさんの表情の険しさが消え、今度はやさしそうな顔で見守ってくれるようになったのです。

おじさんはやっぱり心配してくれていたんだと確信に変わった瞬間でした。心の中で大丈夫だよ、もう少しだから頑張るからねと思いながら辛い日々をなんとか乗り切っていました。

そして辛かった課題が終わりようやくふとんで熟睡できるというときです。私が布団で横になりながらおじさんがいつもいる場所を見てみるとそこにおじさんの姿は無く、いつものゴミ箱だけが置いてある風景になっていました。

もう会えないのかな・・・と思いながら睡魔に襲われているとき、寝てしまうぎりぎりのところで「寝なさい」と優しい声とともに頭をなでられるような感覚を最後に意識を失いました。

朝起きるとなぜか少しだけ枕元の窓とカーテンがあいており、それ以来おじさんの姿は見えなくなってしまいました。

今でもおじさんには感謝しています。辛くて不安で寂しかった私を影から見守って励ましてくれていたのかなと思います。