小児科の看護師の私が夜勤中に体験した不思議な体験談

不思議な体験談

これは以前、わたしが看護師として大学病院で働いていたときの話です。もともと、心霊体験をすることが多かったわたしは、病院の就職となればきっと不思議な体験をすることもあるんだろうな、となんとなく予想はしていたのですが、思いもよらない形で体験をすることとなりました。

わたしは大学病院の病棟看護師として小児科で働いていました

これは今から3年前のことです。その日は夜勤勤務だったので、夕食の配膳や乳幼児の身の回りのお世話でいつものように忙しく動き回っていました。
わたしが勤務する病棟は細長い造りになっていて、入口から長い廊下が続いていていてその両サイドに病室がありました。

わたしはそのとき、入口にいちばん近い病室付近で、入院している方々のお薬の準備をしていました。すると長い廊下のいちばん向こう側で、大きな声を上げて泣いている男の人が見えたのです。

そのあたりの病室は個室のなっていて、その部屋で入院している患者さんのご家族かな、と思いました。何かあったのだろうか、どうしたのだろうかと思い、その病室を担当している先輩看護師に声をかけました。

「あの廊下のあたりで泣いている男の人がいるんですけど、患者さんのお父さんですかね。」そう伝えると先輩は、「確かにあそこの部屋の男の子のお父さんが面会中だけど、どうしたんだろう。ちょっと見に行ってみるね。」と言いその病室まで様子を見に行きました。

しばらくして、ナースステーションに戻ってきた先輩にどうだったか尋ねると

「部屋の中で男の子とお父さんで仲良く過ごしてたよ。泣いてる感じはなかったけど。」という答えが返ってきました。わたしは不思議だな、と思いましたが見間違いだったのだろうと思いそのまま何事もなく勤務をしていました。

そのまま夜勤のすべての仕事が終了し、わたしはいつも通り自宅に戻って体を休めていました。すると夕方ごろになって、日勤で仕事をしているはずの先輩から電話がかかってきました。

「今日、あの部屋の男の子が亡くなったよ。昨日夜勤でみていたと思うから伝えておこうと思って。」という連絡でした。突然のことで本当に驚いたのですが、そのときにはっとしました。

わたしは先輩に、「看取ったのはお父さんですか。」と尋ねると、「そうだよ、どうして知ってるの?」という返事が返ってきました。わたしは、「そのときお父さんは、赤いTシャツにジーパンという格好ではなかったですか。

病室の前で声を上げて泣いていたのではないですか。」と聞くと、「なんでわかるの、そうだよ。」と言われました。わたしが夜勤中に見たあのお父さんの姿は、男の子を看取るときのお父さんの姿だったのです。

今まで、何か未来のことが見えたとか、そういった体験はしたことがなくこのときが初めてのことでした。これ以降もそういった体験はありません。どうしてあのとき、お父さんのあの姿がわたしに見えたのか謎のままです。