某地下鉄のドアの窓に本来映るはずのないものがいた恐怖の体験談

恐怖の心霊体験談

その時、私は関西にある某地下鉄に乗っていました。ふと窓に目をやると、そこには映るはずのない作業服姿の男。その男が自分にしか見えてないとわかった時、ここで今その事を誰かに話すと何かが危ない。そう咄嗟に判断し、その後は全く見えないフリをして地下鉄を後にしました。

その頃私は高校で野球部のマネージャーをしていました

ある日、試合をする相手チームの学校へ部員全員で電車で向かってたのですが、かなりの田舎だったので土曜日にも関わらず、私達が乗った地下鉄の電車の車両は貸し切り状態でした。

はしゃぐ部員に注意しながらも一緒になって笑うマネージャー。マネージャーには私達同期4人に加えて1人後輩が居たのですが、入部したてでまだ私達先輩の輪に溶け込めない様子でした。その子だけははしゃぐ部員や私達を横目にドアの端に持たれて外の景色を眺めているようでした。

その事に関しては全く気にも止めなかったのですが、電車がトンネルの中を通った時、ふと電車のドアの窓を見ると、乗っているのは私達、高校生だけのはずなのに、本来は後輩のマネージャーが映るはずの窓には、帽子を深く被った作業服姿の男が俯いて立っていました。

当然、貸し切り状態の車両の中にそんな人がいるはずがありません。そして、それと同時に映るはずの後輩のマネージャーの姿もそこにはありませんでした。

同期のマネージャーと会話をしていた私は会話をする口を止めてしまい

それを不思議に思った同期のマネージャーが「どうしたん?」と声をかけてくれたのですが、なにせ初めての心霊体験だったもので、私は窓に映るその作業服姿の男から目を離せずにいました。

ですが、トンネルの中を抜けた時にはその姿は跡形もなく消えていました。

ふと我に返り、状況を説明しようとしたのですが、霊感が全くない私でも今ここで話してしまうと何かやばい、あの男の近くにいた後輩のマネージャーが危険かもしれない。咄嗟にそう判断し、話すことをやめました。

試合が終わり、帰りも同じ地下鉄で帰ったのですが、そわそわしていたのは当然私1人だけで結局何事もなく無事帰宅する事が出来ました。

それから4年間誰にも話せず、あの初めての心霊体験をそっと胸に秘めていたのですが、4年も経つとさすがに話せるかなと思い、その出来事を知人に話すと、私達が乗っていたその地下鉄は、そして私が作業服姿の男を見たトンネル付近は、昔は戦争で使われる軍事施設のようなものがあったと知人は言っていました。

話題の心霊スポットとしてインターネットや雑誌にも載っているような場所という事を知ったのは本当につい最近の話です。今でもこの話をする時には心臓がバクバクし、背後から誰かに見られているような気がします。

初めての心霊体験いつまでもこの恐怖は私の中では続いていて、あの地下鉄にはあれ以来乗ってません。これが最初で最後の心霊体験であるようにただ祈るばかりです。