【感動する心霊体験談】大好きだったおばあちゃんの最後のあいさつ

感動する心霊体験談

突然の電話で祖母が入院した事を知った私たち家族は、大急ぎで駆けつけました。ところが、そこにいたのは笑顔の祖母。拍子抜けして自宅に戻った私たちでしたが、その晩手招きをする祖母が夢に出てきて・・・。目が覚めた時に聞いた第一声は、母の「おばあちゃんが危篤」でした。

今から15年前これは私がまだ中学校1年生だった頃のお話しです

私の母方の祖母は、車で7時間程の距離の東北地方の山に囲まれた田舎町に、叔父夫妻とその子供たち(いとこ)と一緒に暮らしていました。

車で片道7時間の距離ということもあり、一年で会えるのは、お盆とお正月の2度だけでした。

しかしながら、とても子供好きの祖母でしたので、大変可愛がってもらい姉も私もとても懐いておりました。

そんな祖母はもともと体が弱く度々入院していたのですが、ここ数年は元気で久しく入院しておりませんでした。
しかし、ある日の夜更け電話が鳴りました。
叔父でした。

「祖母が緊急入院した」というのです。
夜中でしたがすぐに車に乗り込み、片道7時間の祖母のいる町に私たち家族は向かいました。

子どもの私にとって真夜中のドライブは非日常で

本来であればわくわくするものでしたが、父と母の無言で押し黙っている雰囲気から、祖母の容態が芳しくないという事を感じ、大人しく車に揺られていました。

おそらく、姉も同じ心境だったと思います。
東の空がぼんやりと明るくなり始めた頃、私たちは祖母の自宅に到着しました。

ひとまず叔父夫妻が出迎えてくれたので仮眠をとり、朝一で病院に向かいました。
色々な事を想像(覚悟)しながら病室に入った私でしたが、
そこには笑顔の祖母がおりました。

あっけにとられていると「大した事ないんだ、ごめんね。心配かけちゃったね」と祖母が言いました。
緊急入院したと聞いていたので本当に心配して駆けつけましたが、笑顔の祖母を確認でき、ひとまず胸をなでおろしました。

父も母も仕事を休み、姉も私も学校を休んで来ていたので、その日いっぱい叔父夫妻の自宅に泊まらせてもらい、明日帰る事になりました。

翌朝、再度病院に立ち寄り祖母に「早く元気になって、また遊ぼうね」と一声かけ、私たち家族は帰路につきました。

自宅に着いたのは夜の7時を過ぎていたと思います

次の日は学校だったので、身支度を整え11時には布団に入りました。
いつもはいつの間にか眠ってしまうのですが、その日は寝苦しくなかなか寝付けませんでした。

夜中の2時頃にようやく寝付いたと思います。
夢を見ました。
真っ暗な場所です。

誰かが一人遠くに立っています。
服装は真っ白な浴衣のようです。
こちらに向かって「おいで、おいで」と手招きをしています。

「おばあちゃん!」
祖母でした。
私は祖母に向かって走り出しました。

近づくにつれ鮮明に見えてきました。
祖母はとても穏やかに笑っています。
浴衣のような白い服は病院の入院服でした。

その傍らには点滴台がひとつ

「おばあちゃん!」
「・・・」

私が呼びかけても祖母は何も答えません。
ただにこにこ微笑んでいるのです。
「おばあちゃんってばぁ」

あと一歩で祖母の体に触れる事ができました。
「起きなさい、起きなさい。おばあちゃんが危篤なの」
母でした。

あと一歩で祖母のところに辿り着くといったところで、
母に起こされました。
私たちはまたすぐに病院へ向かいましたが、
間に合いませんでした。

昨日まで元気そうだったのに、そこには冷たくなった祖母がいました。
夢の中で祖母のところに辿り着いていたらどうなっていたのだろう。
真相は永遠にわかりません。

ですが、あんなにかわいがってくれた祖母なので、きっと最後にお別れのあいさつに来てくれたのだと思います。